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【物流業界】ドライバー不足の現状と打破する施策を紹介

【物流業界】ドライバー不足の現状と打破する施策を紹介

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ドライバー不足の現状

ドライバーの有効求人倍率は、全職業の平均の約2倍で推移しています。2021年度のデータによると、全職業の平均が1.06倍に対し、ドライバーの倍率は1.97倍です。

 

加えて、昨今はネットショッピングをする人が増えており、宅配便の取り扱い個数もここ20年ほぼ右肩上がりに増えています。このような状況にもかかわらず、ドライバーの人手不足は深刻化しているため、業界全体として人員確保が急務となっているのです。

 

出典:厚生労働省「自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」


ドライバー不足の要因

それでは、なぜドライバー不足はここまで深刻化してしまったのでしょうか。考えられる要因を解説します。


労働環境

まず挙げられるのがドライバーの労働環境にまつわる問題です。2021年のドライバーの年間労働時間は以下のとおりです。

 

・大型トラック運転手 2,544時間

・中小型トラック運転手 2,484時間

 

対して、全産業の平均は2,122時間です。それぞれの数字を12ヵ月で割ると、全産業と比べてドライバーの労働時間は1ヵ月あたり30時間以上多くなります。

 

昨今はワークライフバランスが重視されつつあり、プライベートを大切にしたい人が増えました。求職者たちの考え方の変化に、ドライバーの労働時間が合わなくなっている可能性が考えられます。

 

加えて、年間所得額も全産業と比べてやや低めなのが現状です。同じく2021年のドライバーの年間所得額をまとめました。

 

・大型トラック運転手 463万円

・中小型トラック運転手 431万円

 

対して、全産業の平均は489万円となっています。以上から、ドライバーの仕事は長時間労働、低賃金のイメージをもたれることがあり、敬遠されがちなのです。

 

そのうえで宅配便の取り扱い個数は増加しており、不在で受け取れなかった場合にも気軽に再配達を依頼できる状況になっているため、ドライバーの負担は増えています。

 

このまま人手不足が深刻化すれば、ドライバーの負担はこれまで以上に大きくなってしまうでしょう。

ドライバーの高齢化

ドライバーの高齢化も要因のひとつです。全産業と道路貨物運送業における年齢構成比を見てみましょう。

 

まず、貨物運送業に就いている年齢構成は以下のとおりです。

 

・29歳以下 10.0%

・45~59歳 45.3%

 

対して、全産業の年齢構成はこちらです。

 

・29歳以下 16.5%

・45~59歳 33.8%

 

貨物運送業は高齢層が50%近くを占めていますが、全産業では30%弱に留まっています。全体として、従事者の年齢が高めの状況です。

 

ドライバーはある程度体力を必要とする仕事のため、働く人の年齢が高くなってしまっているのは良い状況とはいえません。若年層が就業しにくい状況が続けば、今後人材不足が深刻化する可能性も考えられます。

 
宅配需要の増加

インターネットの普及や新型コロナウイルスの拡大により、昨今はネットショッピングの利用者が増加しています。宅配個数は年々増加しており、令和3年度における宅配便取扱個数は前年比で約2.4%上昇しました。

 

EC事業は今後も拡大していくことが見込まれており、ドライバーの安定的な人材確保が急務です。

 

出典:「令和3年度 宅配便取扱実績について」(国土交通省)


ドライバー不足の解消に向けた取り組み

ドライバーの人材不足は今後も深刻化が見込まれ、安定的な物流を提供するには早めの対処が必要です。最後に、ドライバーの人材確保に向けて、企業が実践すべき取り組みを3つまとめました。自社の状況を踏まえ、実施を検討してみてはいかがでしょうか。


労働環境の改善を図る

どの業界にも共通することですが、労働環境は離職の大きな要因となります。企業側は何より最優先で、ドライバーが働きたいと思える労働環境を整えることに注力しましょう。

 

たとえば有給を取りやすい体制を整える、福利厚生を充実させる、社員のキャリアアップを支援するなどが効果的な取り組みです。

 

また、ホワイト物流推進運動に賛同し、求職者にアピールするのも手段のひとつとしておすすめです。ホワイト物流推進運動とは、国土交通省主導で、物流の効率化やホワイトな労働環境の実現を目指す運動です。

 

詳しくは以下サイトをご覧ください。

「ホワイト物流」推進運動ポータルサイト

 

いますぐ具体的に配送業務の効率化を進めたいなら、「GODOORの利用もご検討ください。荷物の登録や管理、カーナビ機能までアプリひとつに集約できます。また、ドライバーの荷物の割り当て件数や稼働状況の確認もできるため、バックオフィス業務の効率化にもご活用いただけます。

 

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募集の幅を広げる

募集する人材の幅を広げることも検討しましょう。たとえばスポット専用のドライバーを採用するのも有効です。急な配達や繁忙期にも対応しやすくなり、現場の負担を減らすことができます。

 

応募人数を増やすには未経験者の募集も検討しましょう。その際は、未経験者も安心して働ける職場づくりが欠かせません。研修制度の充実やキャリアアップのサポートなど、教育・育成体制を整えましょう。


自社HPやSNSで発信する

求職者にアピールしたい自社の強みや取り組みを積極的に発信することも有効です。現代の求職者は、ネットを活用した情報収集が当たり前になっています。

 

企業の特徴や評判を知りたいとき、求職者の大半が目を通すのが企業のホームページや採用サイトです。これらのページから欲しい情報を得られなければ、その時点で応募先の候補から外されるかもしれません。ホームページが古かったり、情報が少なかったりする場合は、内容の更新・編集を行いましょう。

 

また、最近は多くの人がSNSを利用しています。TwitterやInstagram、LINEなど、若者がよく使うSNSを利用して情報を発信すれば、狙っているターゲット層にも情報を届けやすくなるでしょう。SNSアカウントを運営していない場合は、できるだけ早急に運用開始を検討してください。

 

有益な情報を発信しながら、自社の魅力を求職者へ伝えましょう。

 

ドライバーの採用に関する課題と、対処法をまとめた記事もあわせてご覧ください。

 

ドライバーの採用が難しいのはなぜ?理由と対処法を解説

まとめ

労働環境の問題やドライバーの高齢化、宅配需要の急激な増加などにより、ドライバー不足は深刻化しています。安定的に人材を確保するには、早急な対策が必要です。

 

自社の状況を踏まえ、募集の幅を増やしたり、情報発信を強化したりと、できる取り組みから始めることが大切です。同時に労働環境の改善も図りながら、求職者に「この会社でドライバーとして働きたい」と思ってもらえる環境づくりを目指しましょう。