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配送ルートを最適化するには?作成時の課題と対処法

配送ルートを最適化するには?作成時の課題と対処法

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配送ルート最適化とは?

配送ルート最適化とは、「車両」「配送の順番」「使う経路」の3つのキーワードを軸にさまざまな条件を考慮して、効率的に配送するのに最適なルートを作成することです。

長年、決まった配送先を任されている人であれば、これまでの経験を頼りに、その時々の状況に合わせて最適な配送ルートを作成できます。

しかし、これでは業務が属人化してしまうほか、初めての配送先や慣れていないエリアの配送ルートを作成するのは難しいでしょう。

そこで、登場したのがAI技術です。現在では、経験に頼らず、誰でも配送ルートの最適化にAIを活用するケースも出てきました。

膨大な蓄積したデータの中から、さまざまな条件にマッチしたルートを導き出せるので、入社したばかりの新人や配送業務に携わったことのない未経験者でも、最適なルート作成が可能です。

配送ルート作成における3つの課題

多くの物流業界では、配送ルート作成業務で大きく分けて3つの課題があるといわれています。

とくに、コロナ禍以降では、オンラインでの買い物需要が増え、小口配送が増加し、人手不足による生産性の低下に悩まされている企業もあるでしょう。

以下の課題を見ながら、自社に当てはまっている課題かどうかを一度確認してみてください。

配送ルートの計算に時間がかかる

配送ルート作成での重要な項目のひとつに「配送ルートの計算」があります。配送ルートの計算は、地図を見て簡単に決定できるものではなく、走行する時間帯や天候、次の配送先などさまざまな条件を考慮して計算しなければなりません。また、ドライバーの経験や勘なども反映させる必要があります。

とくに人手不足が深刻化している企業では、配送業務を素早く行う必要があるため、配送先に向けてドライバーが出発するまでの作業時間の短縮は必須で、配送ルートの計算に時間をかけられないこともあります。

配送のタイミングを考慮しなければならない

多くの配送先では、営業時間の関係も含め、配送時間の指定や訪問時間の制約があります。また、個人宅への配送の場合では、不在による再配達についても考えなければなりません。

このように配送のタイミングも考慮しながら、配送ルートを作成しなければならないため、ベテランに属人化してしまいやすいのです。

また、交通整備や事故などで通行止めになったり、車両通行時間が定められたりするなどのイレギュラー時には当初予定していた配送タイミングの変更も考慮しなければなりません。

どのような状況になったとしても、配送時間が遅延しないように、柔軟な配送ルートを作成することが必要です。

ドライバーの仕事量を考慮しなければならない

配送ルートを作成する際には、ドライバーの負担をできる限り軽減して、安全で効率的な配送業務を行えるように配慮しなければなりません。

たとえば、特定のドライバーだけに極端に移動距離の長いルートや、大量の荷物の個数を担当させてしまった場合、ドライバーは不満を抱いてしまいます。体への負担が大きくなると、集中力も続かなくなり、事故につながるおそれもあります。

建物の高層階への配達は、部屋にたどり着くまでの時間を考慮したり、配送先から次の配送先までの距離が遠い場合は、配達する荷物の個数を減らしたりするなど、それぞれの状況に合わせた工夫が必須です。

このように、配送ルートの特徴を見極めながら、ドライバーの負担を考慮しつつ仕事を均等に振り分けなければならないことも、配送ルート作成が複雑化している理由となっています。

配送ルートはシステム活用による最適化もおすすめ

課題からわかるように、配送ルートの作成業務はとても複雑で、配送エリア内の状況を熟知しているベテランしか携われない業務になっていました。しかし、配送ルートの最適化には、システムを導入する手段もあります。

ここからは、システム導入のメリットについて見ていきましょう。

工数を削減できる

配送ルート作成を人の手だけで行う場合は、エリアを熟知したベテラン以外は多くの工数が必要でした。しかし、システムに蓄積されたさまざまなデータを用いることで、ルート作成の工数を削減することができます。

最短距離の割り出しはもちろん、渋滞に遭遇する可能性やイレギュラー時の回り方など、細かい条件を考慮できれば、大きく工数を削減できるのです。

その結果、配車にかかっていた時間を減らせるようになり、配送時間までを大幅に削減できます。

また、これまでは把握が難しいとされていたドライバーの負担も、システム導入によって均等化され、業務全体の生産性アップが見込めるでしょう。

さらに、長年の知識や経験に頼らずルート作成の最適化ができることで、新人教育の手間も大幅に省け、即戦力となることも期待できます。

人件費・車両費・燃費を削減できる

配送ルート作成にかかる工数が削減され、配送時間を短縮できることで、従業員の残業も減少します。従業員の業務負担が減り、働きやすさへつながるほか、人件費の削減も可能となるのです。

また、配送ルートが最適化されると、これまでと同じ配送量であっても、より少ない車両で業務を完結させられる可能性があります。

今よりも車両台数を減らすことが叶えば、車両費はもちろん、燃費も大幅に削減できるでしょう。

業務の属人化が解消できる

これまで配車計画を含む配送ルート作成業務は、エリアや状況を熟知した経験豊富なベテランが行うのが一般的でした。

経験に基づいてルート作成を行うため、どんなに忙しくても新人や経験の浅い従業員に任せるのは困難だったからです。

しかし、配送ルート最適化システムを導入することで、ルート作成のノウハウや土地勘がない新人でもベテランのルート作成に頼ることなく最適な配送ルートで配送に回ることが可能になります。

その結果、ベテラン従業員の負担が軽減されるほか、ベテラン従業員が退社した際にも、滞りなく業務を遂行できる環境が構築できます。

システムの活用により配送ルートを最適化するときの注意点

配送ルート最適化のシステムは、さまざまな条件から最適なルートを作成してくれますが、細分化された配送業務における特定の事象を考慮しきれないケースも少なくはありません。

たとえば、登下校の時間帯に道幅に余裕がない通学路を最適なルートとしてシステムが作成してしまう場合もあります。

エリアを熟知したドライバーであれば、通学路や登下校の時間帯を把握しているため、配送の順番を変更したり、別のルートに迂回したりといった工夫ができます。一方、経験の浅いドライバーであれば、そのままのルートで配送しようとするでしょう。

システムを導入したからといって、過信してそのまま運用してしまうのは危険な場合があります。

ドライバーはシステムにより作成されたルートを参考にしながらも、最終的には経験値をもとに自身でルートを決定する運用が必要となることも多いため、導入時はとくに慎重に運用していく必要があるでしょう。

基本的には、システムを活用しながら配送ルートの最適化を図り、一方でベテランドライバーへの聞き取り調査なども併せて実施しつつ、危険はないか、以前と比較してどう変化しているのか確認するのがおすすめです。

まとめ

従来、配送ルートの作成には、車両や配送の順番、経路などを考慮して作成するだけの長年の経験が必要でした。業務の属人化を招き、知見が浅い方が対応すると工数を要すため、人件費などのコストが膨れ上がる企業も少なくありません。

この背景から物流業界では配送ルートの最適化が求められています。特に近年はインターネットを通じたオンラインショッピングの需要が高まっており、生産性の向上は欠かせません。今後もオンラインショッピングの利用は増え続けると予想されるため、各企業は配送ルートを最適化するための取り組みについて検討を初めてみましょう。