配送ルートを最適化するには?作成時の課題と対処法
【物流業界】ラストワンマイルとは。課題と解決策を紹介
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物流におけるラストワンマイルとは
ラストワンマイルとは、ユーザーにサービスが到達する最後の接点を指します。通信業界で使用されていた言葉で、通信接続を提供する最後の区間という意味です。物流業界では、ユーザーに商品を届ける物流の最終区間という意味で用いられます。つまり配送拠点から受取人までの区間のことです。
ラストワンマイルは日本語でいうと「最後の1マイル」ですが、距離的な概念ではありません。
ラストワンマイルにまつわる3つの課題
ラストワンマイルは、EC市場の拡大にともない注目されるようになりましたが、配送業者にとっては大きな課題があります。ここでは配送料・ドライバー不足・再配達件数の増加の3つの課題を取り上げて紹介します。
配送料
EC市場への参入事業者が年々増加している中で、他社との差別化を図るために送料無料や当日配送などの物流サービスによる差別化に取り組む事業者が増加しています。
安価な送料を設定するためには、ECサイト側が負担することもありますが配送業者との配送料の交渉によって解決が図られることも少なくありません。ユーザーに便利なサービスの提供を実現するために、配送業者に負担を強いることになるのです。
配送業者は燃料費の高騰や人材不足で配送コストが高騰する中、単価が下がることでさらなる利益圧迫を受け入れざるを得ない状況に陥ります。
ドライバー不足
増加する宅配需要に応えるためには、ドライバーを増やす必要があります。
しかし、物流業界ではドライバー不足が年々深刻になってきています。少子高齢化により生産年齢人口が減少する中、長時間労働が常態化しているドライバー職は、若手人材の獲得が困難で、高齢化が進行しているからです。
また、2024年度からは自動車運転業務に従事する人の残業時間の上限が960時間に制限されるため、人材不足はさらに深刻な事態になるおそれがあります。将来的にはドライバーが確保できず、増加し続ける配送に対応できなくなるのではと懸念されるほどです。
物流業界のドライバー不足については、下記の記事で紹介しています。あわせてご覧ください。
再配達件数の増加
EC市場の拡大による個人向け宅配件数が増加するとともに、再配達の件数も増加しています。再配達は料金が発生せず、再配達分のコストは配送業者の負担になります。国土交通省のサンプル調査によると、2022年10月の再配達は11.8%で、単身世帯が多い都市部で発生率が高まる傾向がみられます。
再配達はドライバーの長時間勤務や残業の発生など、労働環境の悪化を招く要因です。また、ドライバー不足やCO2排出量の増加を招くなど社会的損失も大きいため、官民で再配達削減に向けた取り組みが行われています。
再配達問題の原因と解決策については、以下の記事で詳しく紹介しています。
再配達問題の原因と解決策まとめ!1回で受け取ってもらうためにできること
ラストワンマイルにおける課題を解決する方法
ラストワンマイルの課題である配送料やドライバー不足、再配達の負担を軽減するためには、業務効率化や生産性向上が欠かせません。課題解決に有効な施策を4つ紹介します。
スポット採用の実施
スポット専門のドライバーへ配送業務を依頼すれば、繁忙期をはじめ多くの荷物の配送が必要な場合に柔軟に対応できます。時間的な拘束ではなく、件数単位での依頼・契約となるため、応募を集めやすくなるのが特徴です。
結果として、ドライバーの業務負担の軽減にもつながり、労働状況の改善も期待できます。
シェアリングエコノミーの活用
シェアリングエコノミーとは、保有する資産の貸し出しをマッチングするサービスです。モノやスキルの共有のほか、UberやAirbnbなどのサービスがよく知られています。
物流業界においては配送受託や車両・保管場所の確保などに活用されており、今後さらに利用が進むと予想されています。Amazonの配送を個人ドライバーが請け負う「Amazon Flex」もシェアリングエコノミーのひとつです。
シェアリングエコノミーを活用すれば、荷物量が増加したときに、必要に応じてラストワンマイルの担い手を確保できます。また、トラックの長距離配送で発生しやすい空車回送を回避することも可能で、収益効率を大きく改善できると期待されています。
ドローンをはじめとしたハイテク輸送手段
物流業界では業務効率化のために、人を介さずにラストワンマイル配達を行えるハイテク輸送手段の実用化も進められています。
・ドローン配達: 空を活用し、交通渋滞の激しい都心部や陸路でのルート確保が困難な山間部などに効率的な配送を実現 ・自動配送ロボット: 自動で走行して、物流拠点や小売店舗などの様々な荷物や商品を配送 |
ドローン輸送は航空法によって制限を受けていましたが、2022年12月の改正法施行により、有人地帯での目視外飛行である「レベル4」が解禁されました。これまで許可されていたレベル3では、第三者が立ち入る可能性の低い場所での目視外飛行まででした。しかし、レベル4の解禁によって、宅配ドローンの実用化が大きく進んでいくと見込まれます。
また、自動配送ロボットの実用化も近づいています。2023年4月より施行される改正道路交通法では、遠隔操作による自動配送ロボットの公道走行に関する規定整備が行われました。
すでに公道を利用した実証実験は複数行われており、物流業界における人材不足を補うだけでなく、買物弱者対策支援としても期待されています。宅配ボックスなどの設備と組み合わせれば、再配達の問題も解決可能です。
配送管理システムの導入・活用
配送管理システムとは、配送業務を総合的に管理し最適化するシステムです。システムによってさまざまですが、主に以下のようなシステムがあります。
・配送計画
・配送ステータス管理
・ドライバー管理
・配送指示
・日報作成
配送・配達業務の効率化にシステムを活用することで、非効率的な業務や業務過多が抑えられ、ドライバーの業務負担を軽減できます。
業務効率化のために配送管理システムの導入をお考えなら、GODOORの利用をご検討ください。GODOORは、ゼンリン住宅地図・カーナビ・荷物管理機能を有するラストワンマイル配送業務効率化ツールです。
ドライバー用のスマートフォンアプリでは、ゼンリン住宅地図や高精度なカーナビを活用して配送先・配送ルートの確認や配送先の絞り込みなどが操作できるので、ラストワンマイル配送業務の効率化が実現できます。
また、法人でのご契約の場合は、Web上のバックオフィスに管理者アカウントからログインすることでドライバー各自が積み込み時に確認していた荷物情報をPCから一括登録し、担当ドライバーに割り当てることができます。
登録された荷物や配達先に関する情報は、ドライバーアプリから確認することができ、管理者は、ドライバーごとの稼働状況や荷物の配達ステータスを把握することが可能になります。
GODOORは外部システムやアプリとの連携にも対応しています。業務規模に合わせたアカウント発行が可能ですので、ラストワンマイル配送の効率化を目指したい方は、ぜひご相談ください。
まとめ
EC市場の拡大にともない、ラストワンマイル配送のドライバー不足や増大するコストが課題となっています。課題解決には、配送管理システムや共同配送、ITテクノロジーを活用したシェアリングエコノミー、ハイテク輸送手段の利用など様々な方法があります。中でも、配送管理システムはドライバーの業務効率化にも有効なので、積極的に検討してみてください。